『リテラシーズ』8 [2011年1月刊]

論文

「共に生きる」社会のための言語教育――欧州評議会の活動を例として
福島青史
キーワード: シティズンシップ,複言語主義,CEFR,異文化間教育,欧州評議会
概要: シティズンシップの文脈から見ると,言語教育は社会的結束を高めるため,集団の象徴である言語を選択・普及する「アイデンティティ」機能がある。従来,社会的アイデンティティは「国家」「民族」等に規定された集団とその言語により形成されてきたが,国民国家制度が機能しなくなった移民の時代には「共に生きる」のためのシティズンシップを考え,そのための言語教育が必要である。
Entry: 福島青史(2011).「共に生きる」社会のための言語教育―欧州評議会の活動を例として『リテラシーズ』8,1-9. http://literacies.9640.jp/vol08.html [bibTeX
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A study on language education to explore “how we live together”.
FUKUSHIMA, Seiji
PDF English (Abstract)
地域における活動実践再分析――参加を分析単位として
佐野香織(ワルシャワ大学東洋学部日本学科)
キーワード: 実践,参加,実践共同体,意味づけ
概要: 本稿では個人の能力の観点から分析した地域の外国人支援活動におけるやりとりを再分析する。具体的には,能力ではなく共同体への参加(レイヴ,ウェンガー,1991/1993)を分析の単位とすることで,実践共同体を形成する人々がどのように実践へアクセスし,共有の意味づけを行っているのか事例を分析する。
Entry: 佐野香織(2011).地域における活動実践再分析―参加を分析単位として『リテラシーズ』8,11-19. http://literacies.9640.jp/vol08.html [bibTeX
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Re-analysis of activity in the community using the concept of participation.
SANO, Kaori (University of Warsaw, Department of Japanese and Korean Studies)
PDF English (Abstract)
「持続可能性日本語教育」としてのアカデミック日本語教室の実践――院生サポーターの筆者の実践直後のPAC分析とその後の再内省
張瑜珊(お茶の水女子大学大学院)
キーワード: 内容重視,アカデミック・リテラシー,研究計画書,教師成長,自己分析
概要: 本稿は,「持続可能性日本語教育」としてアカデミック日本語教室を実践した筆者が,この実践を通して得られた気付きや再内省の内容を示しその意義を検討したものである。教室終了直後のPACインタビューでは,実践に関わる制度と教室活動に対する困惑が表明され,「持続可能性日本語教育」の実践上の課題が挙げられた。1年後に行われた再内省では,実践の中で示された自身の多様なアイデンティティーに気付くことで「自分とは何か」をより広い視野で考えることが可能となっていることなどが分かった。
Entry: 張瑜珊(2011).「持続可能性日本語教育」としてのアカデミック日本語教室の実践―院生サポーターの筆者の実践直後のPAC分析とその後の再内省『リテラシーズ』8,21-31. http://literacies.9640.jp/vol08.html [bibTeX
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Action research of an academic Japanese program based on the principles of “sustainable Japanese education”: Through a re-reflection on the author’s personal attitude construct analysis.
CHANG, Yusan (Graduate School of Humanities and Sciences, Ochanomizu University)
PDF English (Abstract)

教育研究ノート

「日本語教師にならない人」にとっても有益な日本語教師養成はどうあるべきか――開放的教師養成のための一考察
鈴木寿子(お茶の水女子大学)
キーワード: 日本語教師の専門性,内省的実践家,生態学的リテラシー,在野の日本語教師,開放的日本語教師養成
概要: 本論文では,日本語教師養成課程で育成する専門性を内省的実践家であることに見定め,修了後に日本語教師とならない者も「在野の日本語教師」として生態学的リテラシーを生かし,社会に寄与できることを論じた。日本語運用技術の教授を超えた社会的仕事としての在野の日本語教師の意義と,その育成を視野に入れた開放的日本語教師養成へ向けての提言を行った。
Entry: 鈴木寿子(2011).「日本語教師にならない人」にとっても有益な日本語教師養成はどうあるべきか―開放的教師養成のための一考察『リテラシーズ』8,33-38. http://literacies.9640.jp/vol08.html [bibTeX
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What is an effective JSL teacher training program for those who are not oriented to become JSL teachers?
SUZUKI, Toshiko (Ochanomizu university)
PDF English (Abstract)

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