『リテラシーズ』20 [2017年2月刊]
特集: コミュニカティブアプローチを考える
目次
- 特集:コミュニカティブアプローチを考える――企画委員長:佐藤慎司(プリンストン大学)
- 【寄稿】コミュニカティブ・アプローチ再考――対話,協働,自己実現をめざして
佐藤慎司(プリンストン大学),熊谷由理(スミス大学) - 【寄稿】コミュニカティブ・アプローチの超克――基礎日本語教育のカリキュラムと教材開発の指針を求めて
西口光一(大阪大学) - 【寄稿】まなぶ・つなぐ・つくる――ポスト・コミュニカティブアプローチの時代における教師の役割
義永美央子(大阪大学) - 【研究論文】外国語教室で歴史認識を批判的に考察し再構築するための対話ストラテジーと克服すべき課題――マレーシアの日本語教室の『戦争の記憶』プロジェクトからコミュニカティブ・アプローチを再考する
芝原里佳(マレーシア理科大学言語リテラシー翻訳学部) - 研究論文
- 言語規範の変容を促す言語学習のリソース――社会文化的アプローチによる「インタビュー詩」の分析から
岩坂泰子(奈良教育大学),和泉元千春(奈良教育大学),横田和子(目白大学) - 書評論文
- 第二言語教育における「読み書き」再考――日本語教室から社会への扉をひらく:広瀬和佳子『相互行為としての読み書きを支える授業デザイン――日本語学習者の推敲過程にみる省察的対話の意義』
寅丸真澄(早稲田大学)
特集:コミュニカティブアプローチを考える
寄稿
- コミュニカティブ・アプローチ再考――対話,協働,自己実現をめざして
- キーワード: 教授法,コミュニカティブ・アプローチ,コミュニケーション,コミュニケーションストラテジー,批判的メタコミュニケーション意識
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- コミュニカティブ・アプローチの超克――基礎日本語教育のカリキュラムと教材開発の指針を求めて
- キーワード: コミュニカティブ・アプローチ,コースデザイン,実用的コミュニケーション,社交的コミュニケーション,自己表現活動中心の基礎日本語教育
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- まなぶ・つなぐ・つくる――ポスト・コミュニカティブアプローチの時代における教師の役割
- キーワード: コミュニカティブアプローチ,コミュニティ,文脈横断,社会文化理論,教師の役割
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研究論文
- 外国語教室で歴史認識を批判的に考察し再構築するための対話ストラテジーと克服すべき課題――マレーシアの日本語教室の『戦争の記憶』プロジェクトからコミュニカティブ・アプローチを再考する
- Dialogical strategies to critically reflect and reconstruct historical perspectives in foreign language classroom and the issues raised: Rethinking communicative approach through the Memories of War Project conducted in a Japanese language classroom in Malaysia
- 概要: 外国語教室は学習者が自身の帰属する社会と学習目標とする社会の双方における言説を批判的に考察し,グローバル・コミュニティの一員としてより公正な言説を構築することを支援・育成する場として捉えることができる。その観点から,マレーシアの大学の日本語クラスでアジア太平洋戦争の記憶をテーマとする『戦争の記憶』プロジェクトを行った。本研究はプロジェクト参加者の議論を分析し,歴史認識を批判的に考察し再構築するための有効な対話ストラテジーと克服すべき課題について報告する。そして本実践が志向した批判的メタ・コミュニケーション意識と平等で相互尊重的な関係構築の議論を通して,コミュニカティブ・アプローチを再考する。
- キーワード: アジア太平洋戦争,歴史認識,日本語教育,言説,対話
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研究論文
- 言語規範の変容を促す言語学習のリソース――社会文化的アプローチによる「インタビュー詩」の分析から
- Language learning resources generating transformation of the language norm: An analysis o“f Interview Poems” using sociocultural approaches
- 概要: 社会文化的アプローチによる第二言語習得研究では,言語能力を個に閉じられた能力でなく,個人と個人をとりまく社会的関係や環境との相互作用の中で捉えている。本稿では,インタビュー詩という「異交通」の場において, それぞれが様々なリソースを媒介手段としながら協働して実践に参加するプロセスを考察した。言語規範が揺さぶられるプロセスは相互作用のなかで生成する。参加者同士の学び合いの軌跡と考察から,言語教育におけるコミュニケーション能力の概念を問い直す可能性が示唆された。
- キーワード:第二言語習得(SLA),社会文化的アプローチ,リソース,異交通
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書評論文
- 第二言語教育における「読み書き」再考――日本語教室から社会への扉をひらく:広瀬和佳子『相互行為としての読み書きを支える授業デザイン――日本語学習者の推敲過程にみる省察的対話の意義』
- The role of reflective dialogue in the learning of Japanese as a second language: Wakako HIROSE, Writing as social interaction.
- キーワード:読み書き,ピア・レスポンス,相互行為,省察的対話,実践研究
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