マイノリティの社会参加――障害者と多様なリテラシー
- リテラシーズ叢書 3
- 佐々木倫子(編)
- 定価: 2,376円(税込)
- ISBN: 9784874246177
- A5/232頁,くろしお出版より2014年3月26日発売
- もくじ
「序」より
本書のテーマは「多様なリテラシー」である。全編を通して「リテラシー」とは何かを考え,マイノリティ言語話者のリテラシーと社会参加を考える。以前は「マイノリティ」とは,在日コリアンや日系ブラジル人といった,いわゆる民族モデルを意味したが,現在は,障害,性別,年齢,人種,宗教,性的指向等にも同様に用いられている。本書では,特に「障害」を採りあげ,その世界の多様で,複雑,課題に満ちて,しかも豊かなリテラシーを見,教育と社会のあり方を考える。障害者施策,マイノリティ施策が大きく動きつつある現代にあって,障害当事者の声を出発点に,施策から教育現場までを考えたい。「障害=福祉の対象」ではなく,いきいきと自身の個性を生かしつつ社会に参加する,十全たる市民が育つことこそ,望まれる社会の姿であろう。そして,それは適切な教育のあり方,社会のあり方によって実現可能なはずである。
もくじ
- 序 少数派のリテラシーと社会参加(佐々木 倫子)
第1部 当事者が語る教育と社会の現実
- ビジュアル・リテラシーの重要性――1ディスレクシア当事者の声(神山 忠)
- テクノロジーとリテラシーの多様性――1ロービジョン当事者の声(森田 茂樹)
- 聴者の家庭に生まれた1ろう者の声(小野 広祐)
- デフファミリーに生まれた1ろう者の声(川島 清)
- モンスターの分析――不確かな人類学とろうのスーパーヒーローの生い立ち(ヴァレンティ,ジョセフ M)
- ろう者がろう者に聞く――ろう学校でリテラシーは育成されたか(中山 慎一郎)
第2部 当事者と社会参加
- 当事者と非当事者(斉藤 道雄)
- デフ・インタープリター入門(アダム,ロバート)
- ろう児に対する教育政策――障害児教育かマイノリティ言語教育か(岡 典栄)
第3部 社会のバリアフリー化と多様なリテラシー
- 情報のユニバーサルデザイン(あべ やすし)
- ろう児のバイリンガル・リテラシーの育成(ガラテ,マリベル)
- マイノリティと多様なリテラシー(佐々木 倫子)
- あとがき 当事者と非当事者の協働(佐々木 倫子)
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