『リテラシーズ――ことば・文化・社会の日本語教育へ』
知識・能力の別を超え,複数のリテラシーズ育成にむけた,新たな言語教育の方向性を提案する論文誌『リテラシーズ――ことば・文化・社会の日本語教育へ』。
『リテラシーズ 4――ことば・文化・社会の日本語教育へ』
- リテラシーズ研究会 編
- 2009年10月1日 くろしお出版刊
- 定価:本体2,000円+税
- A5版193ページ
- ISBN978-4-87424-458-6
「ことば・文化・社会の日本語教育へ」むけ,リテラシーズ育成教育の最新論文を掲載する『リテラシーズ』。『リテラシーズ』は冊子版による出版はこれを最終号とし,今後はより活発な議論をすばやく展開できるWEB版へと全面移行します。そこで,この第4号にはリテラシーズ編集委員各員による冊子版の「総括」を掲載。これまでの『リテラシーズ』誌上および関連領域での議論の経緯が一望でき,今後の展開が見渡せる特集となっています。
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考察する
- 実践と「教材」はどう結びつくのか――年少者日本語教育における「実践的教材論」の試み / 川上郁雄
- 「日本人のコミュニケーションスタイル」観とその教育の再考――アメリカの日本語教科書を例として / 佐藤慎司
- Discussion on the concept of ‘Criticality’ / Yamada, Etsuko
実践する
- ワークショップ型日本語教師研修におけるコーディネータの学び――研修参加者との場の共有化と対話を通して / 齋藤ひろみ,池田玲子,池上摩希子,河野俊之
- 日本語教室でのクリティカル・リテラシーの実践へ向けて / 熊谷由理
- 専門学校におけるクラス・コミュニティへの参加の意味――日本語支援の目的と方法の転換 / 三代純平
- 日本人支援者との協働による言語少数派の親の教育参加――「母語・日本語・教科相互育成学習モデル」の実践から / 小田珠生
- 「共生日本語教育」における参加者の積極的共生態度の検証――PAC分析から見た意義と課題 / 半原芳子
書評
- ことばと文化の「標準」を批判的に「読む」ということ――佐藤 慎司・ドーア根理子編著『文化,ことば,教育――日本語/日本の教育の「標準」を越えて』 / 此枝恵子
- 実践論は問いかける――川上郁雄編著『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー――主体性の年少者日本語教育学』 / 牲川波都季
総括
- イメージとしての「力」――『リテラシーズ』は何を目指すのか / 牲川波都季
- 「リテラシーズ」回想――日本事情・文化リテラシー,そして相互文化性へ / 細川英雄
- 『リテラシーズ』――寛容なメディアを目指して / 砂川裕一
- 「リテラシーズ」の「ズ」とは?――自律・自由のための多種多様なリテラシー獲得へ / 門倉正美
- マイノリティ話者の「リテラシーズ」――リテラシーの多元性を求めて / 佐々木倫子
- リテラシーはどこにあるのか / 川上郁雄
『リテラシーズ 3 ―― ことば・文化・社会の日本語教育へ』
- リテラシーズ研究会(編)
- A5版164頁 ¥1,890(税込)
- ISBN: 978-4-87424-377-0 C3337
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【考察する】
- リテラシーズとしての〈視読解〉――「図解」を手始めとして / 門倉正美
- 日本語教育における「クリティカル・リテラシー」の序論――批判性・創造性の実現にむけたメディア・リテラシー論の可能性と限界 / アレクサンダー・アンドラハーノフ
- 多言語使用と感情という視点からみる,ある「誤用」――定住外国人のエスノグラフィーから / 八木真奈美
- 「国際化」の中の「逸脱した日本語」について / 須田風志
【調査する】
- 理論と実践における「異文化間言語学習」の問題――オーストラリアにおける年少者日本語教育の事例から / 太田裕子
- 多文化共生指向の日本語教育実習生による反対意見表明の変化――ティーチャー・コミュニティー構築の過程から / 平野美恵子
- 留学生・日本人大学生相互学習型活動における共生の実現をめざして――相互行為に現れる非対称性と権力作用の観点から / 杉原由美
【実践する】
- 日本語教室における「論争上にある問題」(controversial issues)の展開についての試論――「日中関係の悪化」を例として / 有田佳代子
【ノート】
- 「複数言語主義・使用・状況」の可能性――欧州評議会の動向とヨーロピアン・スクールの試み / 山川智子
【書評】
- 「共生社会」実現への対話を触発する――植田晃次・山下仁編著『「共生」の内実――批判的社会言語学からの問いかけ』 / 三代純平
『リテラシーズ 2――ことば・文化・社会の日本語教育へ』
- リテラシーズ研究会 編,2006年7月28日,くろしお出版
- A5版192頁 ¥1,890(税込)
- ISBN: 4-87424-351-7 C3337
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【実践する】
- 韓国外国語高校における批判的日本語教育の試み / 三代純平
- 海外における「日本文化」科目のデザインと可能性――ブラジリア大学「日本文化」科目のめざすもの / 根川幸男
【調査する】
- 「見ること」の学習を,言語教育に組み込む可能性の検討 / 奥泉香
- メディア・イベントの受け手の「読み」 / 貞包みゆき
【考察する】
- 内包された読者と伸展するテキスト――読みのテキストを学習者が創る活動についての試論 / 小川貴士
- 戦後の日本語教育における思想的「連続性」の問題――日本語教科書に見る「国家」,「国民」,「言語」,「文化」 / 田中里奈
- 『欧州共通参照枠』における agent / acteur の概念について / 姫田麻利子
- 児童生徒の成長における「audibility」と「行為主体性」の意味――子どもの成長を支援する言語教育のために / 齋藤恵
- 「社会文化能力」から「文化リテラシー」へ――日本語教育における「文化」とその教育概念をめぐって / 細川英雄
- 母語話者による非母語話者のステレオタイプ構築――批判的談話分析の観点から(討論付) / Ohri Richa
【書評】
- 慣習と創造活動の間で――『考えるための日本語』を読んで / 佐藤慎司
『リテラシーズ 1――ことば・文化・社会の日本語教育へ』
- リテラシーズ研究会 編,2005年5月,くろしお出版
- A5/144頁。1,890円(税込)
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【考察する】
- 言語能力観から日本語教育のあり方を考える / 川上郁雄
- ラング・パロール往還文化論序説――新しい「日本事情」教育の可能性 / 三代純平
- 対話教育としての日本語教育についての考察――〈声〉を発し,響き合わせるために / 矢部まゆみ
【実践する】
- 留学生に対する日本人協力者の個人化した説明が談話の展開に与える影響 / 鈴木伸子
- 個人から考える「文化」・「社会」――ラング・パロール往還文化論の実践 / 三代純平
【ノート】
- 日本語教育における学習者主体――日本語話者としての主体性に注目して / 牛窪隆太
- クリティカルペダゴジーと日本語教育 / 佐藤慎司
【関連情報】
- 識字教育と日本語教育を結ぶための文献紹介 / 田中里奈・牲川波都季
【書評】
- 牲川波都季・細川英雄著『わたしを語ることばを求めて――表現することへの希望』 / 森元桂子