2009年度(2009年9月)
複言語・複文化主義と言語教育
開催要領
- 日時: 2009年9月18日(金)10:00-17:00
- ところ: 早稲田大学早稲田キャンパス15号館1F(北門入ってスグ右)[アクセス]
- 参加費:500円(予稿集代として)
- スケジュール: 20分の発表につづき,10分×発表数の全体討論。(ポスター発表は1時間30分)[プログラムを見る]
- 使用言語: 日本語
- 企画担当: 細川英雄(早稲田大学国際学術院日本語教育研究科:日本語教育)・西山教行(京都大学大学院人間・環境学研究科外国語教育論講座:フランス語教育)
- 主催: リテラシーズ研究会
- 共催: 早稲田大学日本語教育研究センター言語文化教育研究会
- 後援: くろしお出版
- [チラシ・プログラム(PDF)をダウンロードする]
直接,会場まで起こし下さい。ふるってのご参加をお待ちしております。
趣旨
『ヨーロッパ共通参照枠』(CEFR)で提起された複言語・複文化主義では,多言語多文化主義の「多(MULTI)」が社会のあり方に焦点を当てているのに対し,さまざまな言語や文化を背負う個人を指していう「複(PLURI)」という概念を導入しています。この考え方においては,それぞれの個人と個人が民族・国境を越えて相互理解する言語教育が必要であるとし,言語を学ぶことはその言語を話す社会を学ぶことであるという前提に立っています。したがって,行為者としての個人はその社会の多面性や複雑性を理解し,表層的なステレオタイプ的な見方を越えるために,さまざまなテーマの中でその社会の多様性・複雑性を深く考えることが不可欠であるとされます。
このような複言語・複文化主義の思想は,世界の言語教育に対してどのような力を持つことになるのでしょうか。また,こうした考え方は,言語教育だけの問題なのでしょうか。
リテラシーズ研究集会「複言語・複文化主義と言語教育」では,この複言語・複文化主義の原点に帰り,言語教育政策をも視野に入れて,言語の学習/教育のあり方に基づく議論を巻き起こします。公募審査によって,外国語教育,国語教育,日本語教育および言語関係の政策・制度等の諸分野・諸領域から,意欲的・挑戦的な24の研究発表が選ばれました。テーブル形式での各発表では,広く言語の別を問わず,また母語・第2言語・外国語の別を問わず,複言語・複文化主義を切り結ぶ,さまざまなことばの学習/教育に関わる議論を形成します。
複言語・複文化主義における言語教育とは何か,ぜひ多くの皆様とともにこの課題に取り組みたく,ふるってのご参加をお待ちしております。
議題提出者: 細川英雄(早稲田大学国際学術院日本語教育研究科)
プログラム
9:30 | 開場・受付開始 | |
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10:00 | 開会 | |
細川英雄(早稲田大学日本語教育研究科):開会のあいさつ | ||
西山教行(京都大学人間・環境学研究科):研究集会の趣旨説明と展望 | ||
10:30 | 言語能力(司会:牛窪隆太) | 事例研究(司会:三代純平) |
尾関史(早稲田大学日本語教育研究センター)・川上郁雄(早稲田大学日本語教育研究科) 「移動する子ども」として成長した大学生の複数言語能力に関する「語り」の分析 |
松井孝浩(タイ早稲田日本語学校) 複言語・複文化主義とビジネス日本語教育研究――経済産業省「社会人基礎力」の検討から |
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大平幸(大阪大学言語文化研究科) 日本語学習者における複数のジャンルの獲得――ある日本語学習者へのインタビューを通して |
山本冴里(早稲田大学日本語教育研究科)・新井久容・古賀和恵・山内薫(以上,早稲田大学日本語教育研究センター) 「JF日本語教育スタンダード」における複言語・複文化主義――日本の言語政策の「異なる可能性」を探る |
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村田晶子(東京大学工学系研究科) 実践共同体における複文化・複言語主義――大学院研究室と企業での談話の分析から複文化・複言語主義の可能性を探る |
山川智子(東京大学総合文化研究科) 近隣諸国との関係構築のための『複言語・複文化主義』――概念の原点に立ち返り,言語教育と教科教育との連携の可能性を考える |
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12:00 | ポスター発表(会場ロビー) | |
中村義実(敬和学園大学人文学部) 多文化共生時代の言語教育――地方からの視座 |
佐野彩(慶應義塾大学外国語教育研究センター)・小林潔(神奈川大学外国語学部) 世界の言葉とつき合うための導入教育――《複言語のすすめ》パンフレットの試み |
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富谷玲子(神奈川大学外国語学部) 複言語・複文化主義的視点からの地域日本語教育批判 |
倉舘健一・濱野英巳(慶應義塾大学外国語教育研究センター) 行動中心主義と初習外国語クラスでの意識の変容――Webを通じて開ける世界 |
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藤浦五月(大阪大学言語文化研究科)・西口光一(大阪大学留学生センター) サイバースペースにおける複言語話者の日本語活動 |
五十嵐玲美(慶應義塾大学外国語教育研究センター) 異文化・複文化アプローチ型言語教育の可能性について――文化とイメージの考察から |
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山崎吉朗(日本私学教育研究所) 複言語eラーニングの推進及び免許状更新多言語講習の実施 |
吉田ひと美(大阪大学言語文化研究科) 外国語習得を支えた動機 |
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13:30 | 理論考察(司会:西山教行) | 地域言語(司会:牲川波都季) |
長谷川秀樹(横浜国立大学) 周縁ヨーロッパにおける複言語主義と地域語――フランス・コルシカ島の事例から |
林初梅(台湾師範大学台湾文化及語言文学研究所) 郷土言語教育の導入と学校現場の葛藤――多言語社会台湾におけるリテラシーとエスニック文化の継承 |
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小間井麗(パリ第7大学) 学校教育レベルでのCEFR導入と複言語・複文化主義――CEFR推進国フランスにおける動向とその考察 |
金英実(桜美林大学大学院) 中朝バイリンガルの複言語複文化意識――「ことば・みんぞく・くに」を中心に |
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14:45 | アイデンティティ(司会:山川智子) | 実践(司会:塩谷奈緒子) |
中山亜紀子(佐賀大学留学生センター) 日本で大学生として生きる――韓国人留学生のライフストーリーから |
石井容子(国際交流基金関西国際センター)・熊野七絵(国際交流基金関西国際センター) 言語と文化への気づきを学習者間で共有する活動が果たす役割――「研修活動の記録」と「週フィードバック」の分析から |
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尹チョジャ(大田区立小学校日本語国際学級) 在日コリアンのアイデンティティと名前 |
林和子(大阪大学日本語日本文化教育センター) 複言語・複文化主義と開発教育の共通項に関する一考察――開発教育教材を利用した日本語教育の授業実践から |
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尾辻恵美(シドニー工科大学人文科学学部) パーフォマティブ論の観点による言語,文化,アイデンティティの再構築の試み――言語,文化の解体と再構成 |
福田浩子(茨城大学)・吉村雅仁(奈良教育大学) 言語意識教育――多言語・多文化に開かれたリテラシー教育を目指して |
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16:30 | 閉会 | |
細川英雄:研究集会のお礼と今後の展開,展望 | ||
17:00 | 閉会 |
追加資料公開
当日配布の,予稿集に未掲載の追加資料が以下からダウンロードできます。
テーブル6「実践」 | 福田浩子・吉村雅仁「言語意識教育――多言語・多文化に開かれたリテラシー教育を目指して」 | ダウンロード[PDF] |
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お問い合わせ
- リテラシーズ研究会: literacies@9640.jp